富山地方鉄道立山線 廃線の危機:観光・地域経済に与える影響と今後の展望【富山地鉄 後編】

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富山県を代表する観光地「立山黒部アルペンルート」への玄関口である、富山地方鉄道・立山線。

その中でも特に岩峅寺〜立山間が、沿線自治体からの支援が得られなければ廃線の可能性があると報じられました。

国内外からの登山客で賑わうこの路線がなくなれば、観光業や地域経済に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

当記事では、現状と今後の展望、関係者の声を通して立山線の未来を考えます。

目次

問題の背景

立山線は富山市から立山町を経て、立山黒部アルペンルートへと接続する観光路線です。

特に夏山シーズンには、電鉄富山駅に国内外の観光客が訪れ、登山やキャンプ目的で立山駅へと向かいます。

しかし、途中駅での乗降客はほとんど見られず、2023年度のデータによると、岩峅寺と立山を除く駅の1日平均乗降客数は10人前後。

岩峅寺~立山間の利用者は季節に偏りがあり、冬期はほぼゼロという状況です。

富山地鉄の立場

富山地方鉄道は、立山線で採算が取れるのは五百石駅までとし、それ以降の区間は赤字が続いていると明言しています。

ただし、上滝線との接続がある岩峅寺までは「何とか維持したい」とし、行政の支援を前提に譲歩する姿勢を見せています。

一方、岩峅寺〜立山間については、観光シーズンの朝以外は利用がほぼないことから、「鉄道である必要性」に対して柔軟な立場を示し、バスなど代替手段も選択肢として挙げています。

沿線自治体の声

立山町の舟橋町長は、バス運転手不足や環境負荷の観点から鉄道の代替輸送は現実的でないと指摘。

廃線になれば観光客が減少し、地域経済に深刻な打撃を与えると警鐘を鳴らしています。

また、鉄道の保守管理費用の一部を国の治山事業や砂防予算で支援できる可能性にも言及し、地鉄の負担軽減を模索中です。

富山市の藤井市長や森前市長も「観光路線としての価値」を強く訴え、県が主導して存続の枠組みを構築するよう求めています。

今後の課題と展望

立山線の未来を考えるうえで重要なのは、「採算性」と「地域の公共的価値」の両立です。

登山・観光シーズンに大きな需要がある一方で、それ以外の時期はほとんど利用がなく、維持費だけが重くのしかかります。

今後は県がリーダーシップを発揮し、観光資源としての立山線の価値を再評価し、国や市町村の連携による持続可能な運営体制を築くことが求められています。

ネット上での反応と声

ネット上では、

・「立山線が無くなったら旅行計画が立てにくくなる」

・「レトロな車両が好きで毎年乗ってるのに残念」

という声が多く見られます。

また、海外からの旅行客が翻訳アプリを通じて廃線の可能性を知り、「ここを訪れる理由が無くなるかも」とショックを受ける場面も報じられています。

鉄道ファンや観光客の間で、立山線の存続を願う声が日増しに高まっています。

まとめ

富山地方鉄道立山線は、単なる交通手段ではなく、富山県の観光と地域経済を支える生命線です。

沿線自治体や観光客からは強い存続要望があるものの、現実的な収支とのバランスを取る必要があります。

県を中心とした協議体制の構築と、国による支援の具体化が急がれます。

今こそ、地域全体で立山線の未来を守る行動が求められています。

当記事は以上となります。

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この記事を書いた人

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筆者は富山県出身&富山県在住。

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写真の撮影をしており、撮影の対象は選手やチア、綺麗な風景です。

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