第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)に出場した名門・広陵高校(広島)が、初戦勝利後の出場辞退という異例の決断を下しました。
背景には、1月に発覚した暴行事件とともに、別の元部員による“性加害”の告発が関係しています。
当記事では、広陵高校野球部で相次いで明らかになった暴力・性被害の疑惑、学校側の対応などについて深掘りします。
広陵高校野球部に何が起きたのか?
2025年1月、広陵高校硬式野球部の寮「清風寮」で、禁止されていたカップラーメンを食べた1年生部員が、複数の2年生部員から暴行を受けたことが発覚しました。
学校は、高野連に対して「胸を小突いた」「頬を叩いた」と報告。
結果、加害生徒4人は公式戦出場停止処分を受け、被害者は3月に県外の高校へ転校しました。
しかし、被害者の保護者は「実際には10人以上に囲まれ、正座させられ、死ぬほど蹴られた」と主張。
さらに中井監督に相談しても「嘘をつくな」「2年生の対外試合がなくなってもいいのか」と逆に追い詰められたとSNSで訴え、大きな波紋を呼びました。


もう1つのイジメ疑惑とは?
同時期、別の元部員AさんがSNSで告発したのは、より深刻な内容でした。
彼の保護者によると、Aさんは1年生の頃から寮での性加害、暴行、精神的虐待を受けていたとされます。
Aさんの証言によれば、寮の風呂で水に沈められたり、熱湯・冷水をかけられるといった行為を受け、精神的に追い詰められていきました。
最終的には退部・退寮し、自宅から通学することに。
現在は広島県安佐南警察署に被害届を提出し、第三者委員会も調査に入っています。
学校側の対応と食い違う証言
広陵高校は、Aさんを含む関係者への聞き取りを行い「そうした事実はなかった」と結論付けました。
しかし、Aさんの保護者は「誠実な対応は1度も受けていない」と語ります。
被害届提出後も学校側からの連絡はなく、ようやく校長から電話があったのは数日後だったといいます。
第三者委員会による初回のヒアリングでは、中井監督やコーチの暴言・暴行について約2時間にわたって証言がなされました。
次回は8月26日に行われ、性加害の詳細が焦点になる予定です。
寮という“密室”で起きたこと
密閉された寮生活という特殊な環境下で、上下関係が絶対とされる部活動の構造が、加害行為を助長した可能性があります。
外部の目が届かない中で、暴行やいじめが日常的に行われていた可能性も否定できません。
Aさんは帰寮後、精神的異変を見せ、「このクソ野郎」と叫びながら過呼吸になるなど、明らかなPTSD様の症状を示しました。
精神科では「同一性乖離症状」の可能性を指摘されており、その深刻さがうかがえます。
ネット上での反応と声
ネット上では、
・「被害者の声を信じるべき」
・「学校の隠蔽体質が許せない」
といった意見が急増。
特に、甲子園出場辞退の発表以降は、
・「本当に出る資格があったのか?」
とする厳しい声も見受けられます。
一方で、
・「まだ調査中の段階で断定的に語るのは危険」
とする慎重論も存在し、真相解明と公平な調査が強く求められています。


まとめ
広陵高校野球部で起きた連続の暴行・性加害疑惑は、単なるスポーツ指導の枠を超えた重大な人権問題です。
学校側の調査結果と被害者側の証言の食い違いは、第三者委員会および警察の捜査結果を待たなければなりません。
今後は、学校側の真摯な対応と、被害者への適切なケア、そして同様の問題の再発防止策が社会的に問われることになるでしょう。
当記事は以上となります。
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